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目 次

目次 第2章 より高度なスキーテクニック・スキー技術

目次 第3章 様々な状況に応じたスキーテクニック・スキー技術



はじめに

 

第1章 基本的なテクニックとパラレルターン

 

1-1■シュテムターンとパラレルターンの違いはここだ!!

スキーテクニック1『山側スキーの山側エッジに体重を移動してからエッジを切り換える』

*注意点『外スキー=谷スキーではない』

*できる人、できない人

*できない人の為のトレーニング方法

 

★コラム1『パラレルターンの発見』

★コラム2『ステンマルクは誰よりも早く山側スキーの山側エッジに乗り換えていた』

 

1-2■ターン後半の暴走を止めろ!!

スキーテクニック2『ターン内側の肩を外スキーにかぶせる』

スキーテクニック3『ストックを突いた腕を前に出す』(右ターンでは右腕を前へ、左ターンでは左腕を前へ)

 

1-3■交互操作はもう古いのか!? 同時操作もあるけど…???

@『強い圧力を生み出す交互操作』

A『スキー技術の基本中の基本、外足荷重の究極の形』

B『素早い動きに対応できる交互操作』

★コラム3『ストレートフラッシュを攻略せよ』

*同時操作のメリット

 

1-4■内スキーの使い方

スキーテクニック4『一旦上げた内スキーは、そのターンが終わるまで下げてはいけない』

スキーテクニック5『内スキーは体軸の傾きにあわせ、より高く持ち上げる』

スキーテクニック6『素早く内スキーを外スキー側に引き付けることによりターン能力がUPする』

*膝と膝を擦り合わせるように内脚を絞り込む

*外スキーの圧力が下がるとなぜ失敗するの?

*急斜面ほど、ターン前半部と後半部の体軸の傾きの差が大きくなる

 
 
 

第2章 より高度なスキーテクニック

 

2-1■ウェーデルンはパラレルターンの延長上にある

スキーテクニック7『ウェーデルンはネコ背で滑る』

 

2-2■高難度ウェーデルン・連続深回りショートターンを成功させた2つの方法

スキーテクニック8『抱え込み押し出しによるターン』

スキーテクニック9『ターン切り換え直後、外脚の膝をしっかり伸ばし前傾姿勢を作る』

*斜面変化と前傾・後傾姿勢

*前傾姿勢は膝を伸ばすことによって作る

 

2-3■カービングターン

*あなたはカービングターンを誤解していないか!?

*スキー板の選び方

スキーテクニック10『板の面に対して垂直方向に脚を伸ばす(蹴る)=しっかり体重をかけた状態で脚を伸ばす』

★コラム4『手稲山での発見』

スキーテクニック11『脚(膝)を伸ばす時は、最後のもうひと伸ばしが効く』

スキーテクニック12『ターン切り換え時、前のターンの外脚は伸ばし、次のターンの外脚はできるだけ曲げた状態で体重移動する』

 

2-4■ステップターンについて

ステップターンの目的は「加速」、「軌道修正」、「加圧」の3つ

 
 
   

第3章 様々な状況に応じたテクニック

 

3-1■ポール滑走

スキーテクニック13『2旗門先のポールを見よ』

★コラム5『邪魔をされたおかげで…』

スキーテクニック14『スキーを平行に横方向へステップする』

*警告 ライン取りにこだわりすぎるな!

 

3-2■アイスバーン

*技術、用具、チューンナップの3つの要素が満たされないと滑れない

*ターン前半では外スキーに意識的に加圧する必要がある

スキーテクニック15『たたきつけるように蹴りをいれて強い圧を生み出す』

 

3-3■コブ斜面

スキーテクニック16『コブ斜面はテールジャンプがカギ』

*テールジャンプのトレーニング法

*コブ斜面でのテールジャンプトレーニング

*ダブルストック

 

3-4■コブ斜面をゆっくり優雅に滑る

スキーテクニック17『スピード制御のウェーデルン』

*スピード制御のウェーデルンの練習方法

*コブ斜面での実際

★コラム6『テールジャンプ法の起源』

スキーテクニック18『ズレと切れの複合ウェーデルン』

★コラム7『検定1級の前走で緊張の一瞬』

 

3-5■深雪技術

*バランス感覚を鍛えると視界の悪い時でも滑れるゾ



■スキーテクニック 質問コーナー

 
はじめに
 何をするにも物ごとにはコツがいる。長い間できなかった事も、「あっ、こうすればできるんだ」とコツをつかむと、急にできるようになるものである。スキーにしろ何にしろ、上達の仕方というのは、まず目標とする『明確な動作の手順』を頭の中にインプットし、次にそれが実際にできるようになるまで繰り返し練習することで上達していく。
 しかし、その『動作の手順が』不明確な場合、何度やってもうまくできないのである。どこか欠如している動作がある訳で、多くの中級スキーヤーが完全なパラレルターンを会得できず、万年シュテムターンに陥っているのも重要な動作が1つ欠如しているからである。『不明確な動作の手順』が『明確な動作の手順』になった時、そこから急激な上達が始まるのである。コツとはこの『明確な動作の手順』のことだと私は考えている。
 
 私は京都生まれの京都育ち、雪とはほとんど無縁の世界で生まれ育った。そんな私がスキーを始めたのは中学を卒業した春休みからだった。それも、友達や双子の弟がスキーに行くと言うので、しぶしぶ便乗した口だった。
 ところがその中で一番スキーにのめり込んだのが私で、大学時代からは競技スキーを始め、社会人になってから何を血迷ったか突然北海道へ行くと言い出し、1年で会社を辞めて単身北海道へ渡ることになったのだ。
 北海道では残雪の手稲山へ1カ月間一人で山ごもりをしたり、ニセコで居候したりしながら4年間競技スキーをやり、その後、岩手県の安比高原スキー場へ渡ってインストラクターとなり、4年間、一般スキーヤーやJrチームの指導などにあたった。その間、ニュージランドでスキーインストラクターを1シーズンやったこともある。
 
 こうしたスキー経歴の中で、私は独自のコツをいろいろとつかんできた。それは私にとっては、一つ一つがまさに新しい発見であった。もちろん、それは、上手なスキーヤーや一流選手ならすでに体得している技術である。しかし、それを私にハッキリわかるようには誰も伝えてくれなかった。伝えたくてもうまく伝えられないのだ。体得しているものを言葉で表現することがいかに難しいか、ということである。
 例えば、「もっと踏み込め」とか「もっと乗り込め」、「板を滑らせろ」、「板を下に向けろ」などと、いささか禅問答のような表現になりがちで、教わる方は、『エッ、もうスキーに乗っているのにもっと乗り込めとは、これいかに?』、『私の板は一応滑っているんだけどなぁ…、板を下に向ければ暴走してしまうんだけど…』などと考え込んでしまう結果となるのである。
 
 私はけっしてメチャメチャうまい一流スキーヤーでは無いが、一応、SAJ(全日本スキー連盟)の正指導員の肩書は持っている。いや、正確に言うと肩書はあった、であり、その肩書も維持するには毎年少なからぬお金を払い続けねばならないので、滞納を続けるうちに自然脱会したというのが本当のところなのだ。
 私はスキーを始めた年齢が遅かったこともあって、スキー技術を体得するというよりも、非常に客観的、科学的にスキー技術をとらえようとしてきた。それだけに、私が発見したテクニック(コツ)は、ハッキリと言葉で伝えることができる。この書は、いわば、私が体得した"コツ"の集大成である。
 ただし、人から教えてもらったテクニックでも、私が経験した中で重要だと思えるものは、本書でも改めて紹介している。
 一般スキーヤーや草レーサーにとっては、目からウロコ状態の発見を本書から得られるであろうと期待している。また一流選手を目指す人達にも、新しいステップへ移るためのヒントになれば幸いだと考えている。
 
 最後に、最近のスキー界の傾向について意見を述べておきたい。
 まず、サイドカーブの強い、短いスキー板『カービングスキー』の出現によって、「スキーの基本は変わった」というような風潮がある。しかし、その風潮に乗るのは、中級以下のスキーヤーにとっては混乱の元である。結論を先に言うと、「そんなに簡単にスキーの基本は変わらない」というのが私の考えである。
 
 そもそも、日本のスキー理論を先導する某スキー雑誌は、時のトップレーサーの技術やそのコーチの理論を基に"新しい"スキー理論を常に作り続けている、いや、作り続けているように感じられる。雑誌を売り続けていく上で大事なことだと思うが、それが常に正しいとは限らない。トップが入れ替われば、また理論も入れ替わるという始末だ。そして、どちらが先かは分らないが、同じように全日本スキー連盟(SAJ)のスキー理論も少しずつ変わっているようだ。
 しかし、基本と言われる根本的なテクニックは、実際そう簡単に変わらないものだ。変わるとすれば、もっと枝葉の技術であって、「基本」とまで呼ばれる根本的な技術は変わるものではない。その証拠に、カービングスキーに履き替えても、普通のスキーヤーなら従来と同じように滑る事ができる。そして、自分にピッタリ合ったスキー板ならまさに自由自在に滑れるが、それはカービングスキーに限ったことでなく、従来のスキー板でもそういう板に巡り会えば、同様に滑れたものだ。
 
 基本が変わったのではなく、基本を充分に理解できていなかった人が、それらを「もう古い」というような言葉で片付けてしまおうとしているのではないか?
 某スキー雑誌を見ていると、基本中の基本といえる「外足荷重」、今やこれさえも「違う」といい始めている。では、なぜ「外足荷重」というテクニックが基本といわれるほど今まで重要視されてきたのか? その新しい考えを提唱している人はちゃんと説明できるのだろうか?
 もちろん上級者ともなれば「内足スキー」1本で滑る事もできる。もう古いと言われるかもしれないが、かの天才レーサー・ステンマルクは、誰よりも早いタイミングで内スキーに乗り移り、次のターンを始動していた。しかし、それは誰よりも早く、確実に、外スキー1本で前のターンを仕上げていたからである。
 しかし、今の「両足荷重」や「内スキー」を使う理論は、内スキーを使ってターンを仕上げる事さえ提唱している。私の見解からすれば、これは大きな間違いだと、あえて言っておこう。そして、こういうスキー操作は上級者なら可能だが、中級以下のスキーヤーには"変な癖がついてしまう"、警戒すべきテクニックだと言っておこう。
 
 また、全日本スキー連盟の場合は、その教程に見られるように、ボーゲン(シュテームターン)からパラレルターンへ進む過程で、決定的な技術の違いをきちんと説明できていない。ボーゲンから少しずつスキーを平行にしていくだけでパラレルターンができるなら、多くの中級スキーヤーは苦労しないだろう。そのハッキリしない点が、SAJスキー理論の一番の弱点ではないだろうか?
 
 と、とりあえず言いたいことを言ってしまったが、いずれにせよ、多くのスキーヤーがスキー上達の楽しみを味わい、パラレルターン、ウェーデルン、カービングターンなどのテクニックをマスターして、自由自在に雪の斜面を駆け抜ける喜びを満喫していただけることを願っている。
 
2006年12月20日  濱田篤重
 


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